突然ですが、今日から夢女子になることにしました。

成人済み夢女子が もっと生きやすく方法を 考えて発信します

「夢小説が好き」と誰にも言えない君へ

 突然ですが、私は所謂「夢女子」で、夢小説が好きです。

 中学生の頃初めて夢小説の存在を知り、

 十年以上経った今でも好んで夢小説を読みます。


 また、自ら夢小説を書き、趣味の似ている方へ公開することもあります。

 

 しかし、ごく最近まで
 自ら「夢女子」を名乗ることも、
 友人や知り合いに「自分は夢小説が好きだ」と匂わせることも
 徹底的に避けていました。

 

 とある幻想が自分の中にあまりにも根強くあったためです。

 

 ”「夢女子の自分」「夢小説が好きな自分」はみっともない”

 

 今思えば、「君は何を言っているんだ?」という感じですが、
 わたしはこれが原因で随分長いこと苦しんでいました。

 

 

 この記事に書いたことはあくまでも私一個人の体験に基づいた所感です。

 

 以前の自分と同じく、生きづらさを感じている
 夢女子の方、夢小説が好きな方がもしいれば
 毎日楽しく過ごせるきっかけになってほしい、という思いで書いています。

 

 お心当たりのある方に、お付き合いいただければ幸いです。

 

 

 また、本記事ではアニメやドラマなど既存のキャラクターに対して恋愛感情を抱くという意味で、「夢女子」という言葉を使っています。

 私自身は「夢女子」であり、夢小説を書いたり読んだりしますが、

 同じように夢小説を楽しんでいる方の全員が「夢女子」という訳ではありません。

 本件に関する定義の詳細はページの下部へ注釈として記載しています。

 

1.「夢女子の自分」を肯定できるか?

「夢女子の自分」=「みっともない」?

 過去の私を含め、「夢女子の自分」をみっともないと思っている方は少なからずいるのではないでしょうか。

 というのは、SNSなどでたびたび目にする、「夢女子は女性オタクの底辺。マイノリティで地位が低い」という自虐や、一部の夢女子が「夢豚」という呼称を選んで使うことからの推測です。

 では、何故みっともない、と思うのか。他に「夢女子の自分」について、昔の自分ならどう思うのか。以前の思考に立ち返り考えた結果が次の通りです。

 

昔の自分が考える「夢女子の自分」

私の場合には3点挙げられると思いました。

 

(1)現実にはあり得ない、自分とキャラクターの恋愛を妄想しているのがイタい

(2)現実で男性に相手にされないから、実在しないキャラクターとの恋愛に逃避しているのでは? と思われそうで嫌

(3)「自分がイタい」自覚がないより自覚している方がマシな気がするため、対外的に自虐のポーズを取っている

 

 見事にネガティブなものばかりです。

 しかし、これらは、すべて自分の自己肯定感の低さから生じた、いわば幻想です。

 同様に今私が「夢女子の自分」について考えたときは、次の通りになります

 

今の自分が考える「夢女子の自分」

(1)現実にはあり得ない、自分とキャラクターの恋愛を妄想しているのがイタい
⇒自分をここまで妄想させるキャラクターの魅力が素晴らしいと思う。本当に好き。文章でも絵でもいいからとにかく形にして眺めたい。趣味が似ている人に共有できたら尚最高。

 

(2)現実で男性に相手にされないから、キャラクターとの恋愛に逃避しているのでは? と思われそうで嫌
⇒現実で恋人や旦那がいても夢女子は夢女子なので相関関係はない。
 そう思う人には思わせておけばいいし自分には関係ない。

 

(3)「自分がイタい」自覚がないより自覚している方がマシな気がするため、自虐のポーズを取っている
⇒自分が夢女子なのは、キャラクターに魅力があることの証明になる。

 自虐する必要もない。

 

 これくらい考え方が変わりました。

 次は、低かった自己肯定感を高めて克服するまでの一連をご紹介します。

 

 2.自己肯定の失敗例

「趣味の時間はもう終わり」?

 数年前、私の身の回りで一部の友人が、仕事の忙しさ・結婚・子育てなどを理由に趣味から離れました。

 私も例外なく「とりあえず就職できたし、結婚して親を安心させたい」という気持ちが強く、趣味から離れようと思いました。

 

 当時、私は現在と別のジャンルで同人活動をしておりこちらも断とうと思いましたが、どうしても書きたい話があったため、年に数回だけ、細々と新刊を出しました(内容は夢要素を含まない二次創作でした)。したがって夢小説とはすっかりご無沙汰で、このままならおそらく一生関わることもないだろうと思っていました。

自分で作った地獄にはまる

 趣味はさておき、それ以外の生活についてはあまり思い出したくない有様でした。
 まず、仕事が楽しくない。というのも、好きなことややり甲斐より収入の安定や福利厚生を取った結果、知識も興味もない業界に就職したためです。

しかし、自分が自分の意思で選んだ職業です。今更つまらないとやめるわけにもいかず、毎日「仕事は楽しい」と常に自己暗示をかけていました。

 やがて仕事に慣れてきて給料が上がったり上司に褒められたりすることもありましたが、仕事自体には相変わらず興味も熱意も持てませんでした。

 それでも同期や同部署の人たちが好きだったので、殆ど彼らの顔を見るためだけに職場に行っていました。


 そしてプライベートでは、友人や知り合いが仕事で成功し、あるいは結婚していき、取り残される焦りを感じ始めました。

 私自身、一人の時間を大切にしたいタイプで結婚願望はあまりありませんが、親戚や職場の目が怖くて、早く結婚しなければ自分が辛くなると自分を追い詰めていました。また、無駄にプライドだけは高かったため、嫁に行き遅れたことで「周りに笑われる自分」や「親にがっかりされる自分」が解釈違いでした。


 上記の一連がストレスになったのか、就職して1年経たず体調に異常が現れました。長期間の原因不明の発熱、月経不全、過食症、拒食症、不眠症等を併発しましたが、いくら検査を受けても原因は不明。

 しかし、やはり病は気からと特に会社を休むこともなくその後約2年間無理矢理職場へ出社し続けました。

 朝が来て電車に乗る度、「いっそ隕石とかミサイルとか落ちてきて明日世界終わらないかな」と思いながら生きていました。

 

「あ、明日死ぬかも」

 とある日、42℃の高熱を出しました。いくら解熱剤を飲んでも切れた瞬間にまた上がり、病院へ薬を貰いに行く元気もなくなって薬が切れました。市販薬で数日ごまかしましたが熱は下がる気配がなく、5日が経過したあたりでもしかしたら「あ、明日死ぬかも」と思いました。


 少し前まで「明日世界終わらないかな」と思っていたのに、いざ死ぬかもと思うと結構心残りがあるものです。

 勿論人並みに楽しいことも沢山ありましたが、趣味の面では自分に嘘をつくことが多かったなと思い出します。周りにどう思われるか気にして自虐ばかり繰り返し、言いたいことを言わず、書きたいものを書かず。誰のための人生だったのでしょうか。

 もし回復したら、プライドとか体面とかどうでもいい、悔いが残らないように全力で本当に好きなことをしよう、と決めました。市販薬はその日でストックが丁度切れましたが、薬を飲むのをやめた次の日、熱が下がりました。

 pixivで数年ぶりに夢小説を検索し、読みながら泣きました。

 

  3.「自分のためにものを作る」

もう一度夢を書く

 長らく封印していた夢小説を読んだお陰なのか、わたしの体調はみるみる回復し、2年治らなかった体調不良も全快してしまいました。単純すぎて笑えます。
 10代の頃書いていた夢小説を、もう一度書きたいという気持ちが芽生え、気付けばpixivのアカウントを取得していました。

 ここまで苦しむ前に早く気付けばよかったのでしょうが、プライドが高く頑固な性格だったため、きっかけがないと変われなかったと思います。

 それからは自分の思うままに、自分の書いたものをとりあえず「完成」と呼べるレベルまで練り上げて、定期的にpixivへ投稿するようになりました。


 面白かったのは、自分が本当に好きなものが何か、読みたいものが何なのか、案外自分ではあまりわからない、ということです。

 本当に納得が行くものを作れるまで何か月か試行錯誤しました。

 

作品を完成させる喜び

 自分の好きなものを思うままに書くと、自分が思ってもみなかったキャラクターの好きなところが沢山発見できて本当に楽しいです。技術不足で思い通りに書けない葛藤もありますが、もっと自分の技術を磨こうと意気込む動機付けになります。

 そして自分が本当に読みたかったものを作り上げて、自分で通して読んだときの感動な何物にも代えられません。


 文章や絵が上手いとか下手とか、内容が高尚とか下品とか全く関係ないです。


 自分が納得できるものを作れると、「これでよかったんだ」と心から思えて、勝手に一人で自分で感動できてしまいます。

 誇張でもなんでもなく、「ああ、これを書くために今まで辛い思いして生きてたんだな」とさえ思えます。

 

 だって、世界に一つしかない、自分のために作られた自分が好きなものだけを集めて形にした夢小説を読めて、それを作ったのは他でもない自分なんですよ。
 もうめちゃくちゃハッピーで心の底から大満足ですし、それを作った自分も大好きだなと思いました。

 

 4.好きなものを共有できる楽しさ

「夢女子の自分」と他の誰かの関係

 自分のために書いた作品を同じ趣味の方に公開すると、また別の楽しさがあります。
 自分が好きな映画やアニメを誰かが見てくれるととてもわくわくする感覚に似ています。
 「自分が好き」である条件に、「個人的な思い入れ」などの要素が追加されている分、上位互換です。

 

 また、大変幸せなことに、趣味の似ている方から直接感想をいただく機会にも恵まれました。
 自分が最高だと思って書いたものを褒めていただけるのは心から嬉しいことです。

 

 そして先月末、低かった自己肯定感を十分克服できたな、もう潮時だな、とふと思いました。

 

 自分が夢女子であることについて、誰に何を言われてももう大丈夫だと思えたため、一部の友人や知り合いにも夢女子であることをカミングアウトしました。

 これをきっかけに縁が切れる人もいるかもしれないと思いましたが、連絡がつかなくなったりSNSでブロックしてくる人は一人もいませんでした。みんな心が広くて大好きです。

 

 おわりに

 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 この記事を読んでくださったあなたが、少しでも毎日楽しく過ごせるきっかけになれば何よりです。

 また、もし自分のような夢女子の方が沢山いるならば、支援に繋がる活動をしたいと考えています。


 今後も定期的に自分の満足の行く作品作りや自分との向き合い方について記事を書くかもしれません。
 よろしければまたお付き合いいただければ嬉しいです。 

 

 

 

 

 めちゃくちゃ余談ですが、自分の好みを総てぶち込んだ作品を作って投稿すると、
 それをいいねした人のブックマーク覧から自分の好みドンピシャの作品が探せることも知りました。最高です。

 

【注釈】
 このブログにおける夢関連用語の定義をまとめました。

◆夢女・夢女子
 既存キャラクターへ恋愛感情を抱く女性、特にその感情を日常会話やSNS等で発信する女性を指します。既存キャラクターはアニメやドラマのキャラクターのこともあれば、実在のアイドルのこともあり、時と場合によります。

◆夢要素
 アニメ、ドラマ等の既存キャラクターと、オリジナルキャラクター=夢主人公の恋愛要素を含むことを指します。
 例えばアイディアファクトリー株式会社(オトメイト)の『薄桜鬼』シリーズや株式会社ブロッコリーの『うたのプリンスさまっ♪』シリーズのようにキャラクターとの恋愛を楽しめる恋愛シミュレーションゲーム(乙女ゲーム)をイメージしていただければわかりやすいでしょうか。
※公式ゲームジャンルは薄桜鬼の場合「女性向け恋愛アドベンチャーゲーム」、うたプリの場合「キスよりすごい音楽って本当にあるんだよADV」です

◆夢主人公
 既存キャラクターと恋愛させることを目的に作ったオリジナルキャラクターを指します。

◆夢小説・夢漫画・夢絵
 既存キャラクターと夢主人公の恋愛要素を含む二次創作作品の例です。
 これらは各SNSにて一般のファンの目に触れぬよう棲み分けされた上で、密かに発信されています。

 また、夢○○と一口に言っても、読む場合、書く場合共に様々なパターンが上げられます。
 (例)
 ・キャラクターと恋愛する夢主人公に自己投影する場合
 ・夢主人公も一人の設定を持ったキャラクターとしてカップリング的に楽しむ場合

  また、夢小説の読み手・書き手が必ず夢女・夢女子であるとは限りません。
  自分自身はキャラクターへ恋愛感情がなくてもカップリング的に楽しむ方、
  夢小説を1つの作品として楽しむ方も沢山います。

 

参考サイト
・「ドリーム小説」(2020年7月9日 (木) 21:19 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%B0%8F%E8%AA%AC